企業のSDGs推進やCSRご担当者様から、「目標12に対して、自社で具体的に何ができるか分からない」「抽象的な目標をどう実務に落とし込めばいいのか」といったご相談をよくいただきます。
SDGs(持続可能な開発目標)の中でも、目標12「つくる責任 つかう責任」は、企業活動におけるモノの流れそのものを見直す重要なテーマです。その核心は、資源を使い捨てにするのではなく、循環させることにあります。
実は、オフィスや店舗で日常的に使用している「椅子」の運用を見直すことが、最も着手しやすく、かつ具体的な数値として成果が見えるSDGsアクションになることをご存知でしょうか。
私たちRe-fa(リーファ)は、椅子の張り替えを通じて、廃棄を減らし資源を活かすサステナブルな選択をご提案しています。2024年4月から本日までに、約1,453,110kgものCO2削減を実現してきました。
この記事では、SDGs目標12の基礎知識から、なぜ椅子の張り替えが企業の貢献に直結するのか、具体的なデータと事例を交えて解説します。
目次
そもそもSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」とは?
SDGsの17の目標のうち、12番目に掲げられているのが「つくる責任 つかう責任(持続可能な消費と生産のパターンを確保する)」です。これは、地球の限られた資源を枯渇させないよう、生産から廃棄までのプロセス全体を持続可能な形に変えていくことを目指しています。
目標12が目指す「持続可能な消費と生産のパターン」
従来の経済活動は、資源を採掘し、製品を作り、使い終わったら捨てるという「一方通行(リニアエコノミー)」が主流でした。しかし、このままでは資源不足や環境汚染が深刻化し、将来の世代が現在と同じような生活を送ることができなくなってしまいます。
目標12が目指すのは、より少ない資源で、より多くの良質な製品やサービスを提供する効率的な経済活動です。生産者(企業)には、製品のライフサイクル全体で環境負荷を低減する責任があり、消費者(利用者)には、環境に配慮した製品を選び、長く大切に使う責任があります。
企業に特に求められるターゲット「12.5」
目標12には、具体的な達成基準としていくつかのアジェンダ(ターゲット)が設定されています。その中で、私たち日本企業が特に意識すべきなのが「ターゲット12.5」です。
ターゲット12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
これは、いわゆる「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」の徹底を求めています。
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Reduce(リデュース):廃棄物の発生を抑制する
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Reuse(リユース):再利用する
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Recycle(リサイクル):再生利用する
さらに近年では、これらに「Renewable(再生可能資源への代替)」や「Repair(修理して使う)」を加えたサーキュラーエコノミー(循環型経済)への転換が強く求められています。企業活動において「廃棄を出さない」工夫をすることは、もはや単なるコスト削減策ではなく、企業の社会的責任(CSR)の中核をなす取り組みといえるでしょう。
なぜ「椅子の張り替え」がSDGs目標12に直結するのか
では、なぜ数ある取り組みの中で「椅子の張り替え」が目標12の達成に有効なのでしょうか。それは、椅子という家具が、適切にメンテナンスさえすれば極めて長く使い続けられる「循環可能な資源」だからです。
「廃棄」を「再生」に変えるサーキュラーエコノミーの実践
オフィスチェアや店舗のソファが古くなったとき、多くの場合は「廃棄して新品を購入する」という選択がなされてきました。しかし、生地が破れたりクッションがへたったりしていても、椅子の骨組み(フレーム)自体は頑丈で、まだまだ使えるケースがほとんどです。
フレームを活かして、傷んだ部分(張地やウレタン)だけを新しくする「張り替え」は、廃棄物を最小限に抑えるリユース(再利用)とリペア(修理)のハイブリッドな取り組みです。
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廃棄物の削減:大型ゴミとなるフレームを捨てずに済む
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資源消費の抑制:新品製造に必要な金属や木材、プラスチックの消費を抑える
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製品寿命の延長:直すことで新品同様に蘇り、さらに長く使い続けられる
これはまさに、SDGs目標12が目指す「廃棄物の発生防止」と「資源の有効活用」を具現化したアクションです。
LCA(ライフサイクルアセスメント)で見る環境負荷の差
環境負荷を評価する手法の一つに、LCA(ライフサイクルアセスメント)があります。これは、原料調達から製造、流通、使用、廃棄に至るまでの全工程における環境負荷を定量的に評価する方法です。
新品の椅子を購入する場合、以下のプロセスすべてでエネルギーを消費し、CO2を排出します。
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原料の採掘(鉄、アルミニウム、石油など)
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部品の加工・製造
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製品の組み立て
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輸送(海外生産の場合は特に負荷大)
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古い椅子の廃棄焼却
一方、張り替えの場合は、「フレームの製造」という最もエネルギーを使う工程を省略できます。必要なのは、張地やウレタンの材料と、張り替え作業にかかるエネルギーのみです。
LCAの観点から見ても、張り替えは新品購入に比べて環境負荷を劇的に低減できる合理的な選択肢なのです。
データで見る貢献度:Re-faのCO2削減実績
「環境に良いことは分かったけれど、具体的にどれくらいの効果があるのか?」 企業担当者様としては、社内報告や対外的な発表のために、具体的な数値的根拠が必要不可欠かと思います。
Re-faでは、椅子張り替えによるCO2削減量を可視化し、お客様にデータとして提供しています。
1脚あたり約20〜40kg-CO₂eの削減効果とは
私たちが算出したデータによると、椅子を張り替えることで、新品を購入して廃棄する場合と比較し、1脚あたり約20〜40kg-CO₂eの温室効果ガス削減効果が見込まれます(椅子の種類やサイズにより変動します)。
これは、杉の木が1年間に吸収するCO2量に換算すると、約2〜3本分に相当します。たった1脚の椅子を直して使うだけで、これだけの環境貢献が可能になるのです。
この算出は、ISO 14040/14044に準拠した国際的なLCAデータベース(IDEA v2)および環境省の排出原単位データベースを活用し、公平かつ客観的な基準に基づいて行っています。「なんとなくエコ」ではなく、科学的根拠に基づいた数字です。
企業が椅子張り替えを導入するメリットと導入事例
SDGs目標12への貢献は重要ですが、企業である以上、経済合理性や業務への影響も無視できません。Re-faの椅子張り替えは、環境貢献とビジネスメリットを両立させるソリューションです。
ESG経営・CSRレポートでの具体的アピール材料に
投資家や取引先、そして消費者から選ばれる企業であるために、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営への取り組みは必須事項となりつつあります。
椅子張り替えによるCO2削減実績は、以下のような場面で具体的な成果として活用いただけます。
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統合報告書やCSRレポートへの記載
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自社ウェブサイトでのサステナビリティ活動報告
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SDGs推進企業としての広報活動
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社内報での環境意識啓発
Re-faでは、施工完了後に「CO2削減証明書」の発行も可能です(要相談)。「環境に配慮しています」という言葉だけでなく、「これだけのCO2を削減しました」というエビデンスを示すことで、企業の信頼性は大きく向上します。
【事例】ホテル・商業施設における「営業を止めない」サステナブル改修
ホテルやレストラン、商業施設にとって最大の懸念は、「張り替えのために椅子を回収されると、その間の営業ができなくなる」ことではないでしょうか。
Re-faは、営業継続性を最優先に考えた施工プランを提案しています。
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夜間施工:店舗の閉店後に作業を行い、翌朝の開店時には完了させる
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現場施工:椅子を持ち出さず、その場で張り替えを行う
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分割施工:数回に分けて少しずつ張り替えることで、客席数を維持する
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予備品対応:作業期間中の代替品を用意する
実際に、全国展開するホテルチェーン様や、24時間稼働の施設様などで、営業を止めることなく全館の椅子をリニューアルした事例が多数ございます。
新品への入れ替えであれば、搬入・搬出で大掛かりな作業が発生し、一時休業が必要になることもあります。張り替えは、運用面においてもスマートで無駄のない選択肢といえます。
よくある質問
SDGs目標12に関連して、企業のご担当者様からよくいただくご質問にお答えします。
Q1: CO2削減量の根拠となるデータはありますか?
はい、ございます。Re-faでは、ISO 14040/14044に準拠したLCA(ライフサイクルアセスメント)の手法を用い、国立研究開発法人産業技術総合研究所などの信頼できるデータベース(IDEA v2等)をもとに算出しています。概算値ではありますが、対外的な公表にも耐えうる客観的なデータとしてご活用いただけます。
Q2: 新品を購入するよりコストは下がりますか?
一般的に、同等の品質の新品を購入する場合と比較して、コストを抑えることが可能です。特に、質の良いフレームを使用している椅子ほど、張り替えて使い続けるコストメリットは大きくなります。ただし、安価な量産品と比較した場合は、新品購入の方が安くなるケースもございます。まずは現状の椅子を拝見し、最適なプランをご提案させていただきます。
Q3: 営業への影響を最小限にしたいのですが、対応可能ですか?
可能です。Re-faの最大の強みは、現場の状況に合わせた柔軟な施工対応です。夜間作業、休日作業、現地での出張施工など、お客様の営業を止めない方法を綿密に計画いたします。ホテルや飲食店、オフィスなど、稼働中の施設での実績が豊富にございますので、安心してお任せください。
まとめ・未来のために「直して使う」選択を
SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」は、決して遠い世界の目標ではありません。毎日座っているその椅子を、「捨てずに直す」と決めること。それが、持続可能な社会を実現するための大きな一歩になります。
本記事のポイント
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椅子張り替えは、SDGs目標12(特に廃棄物削減)に直結する具体的なアクションである
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1脚あたり約20〜40kg-CO₂eのCO2削減効果があり、数値で環境貢献を示せる
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Re-faは累計約1,453,110kgの削減実績があり、信頼性の高いデータを提供できる
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営業を止めない柔軟な施工で、ビジネスを継続しながらSDGsに取り組める
「椅子を直して未来を守る」。 それが、Re-faが提案するサステナビリティへの取り組みです。
もし、貴社の施設で古くなった椅子や、廃棄を検討されている什器がございましたら、まずは一度ご相談ください。現状の診断から、CO2削減効果の試算、最適な施工プランの作成まで、トータルでサポートさせていただきます。
お問い合わせは、Re-fa公式サイトのフォームよりお気軽にどうぞ。持続可能な未来への第一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか。

